ご支援のお願い

YNFでは被災者の方の生活再建を見据えて、短期で終わる支援活動ではなく、地域に根ざした、中長期の支援活動を継続して行うには資金の確保が課題となっています。

「生活再建支援」とは中長期支援である

「過去の災害」への支援は集まらない

忘れていかないこと、取り残さないこと

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「生活再建支援」とは中長期支援である

※実際の話に基づいてYNFで作成しています。

<何もできなかった発災直後>
私は、80代後半の母と二人暮らしでした。
目が悪いため働くことができず、母の年金で生活を賄っていました。

ある年の夏ごろ、豪雨で住んでいた地域が大規模な土砂災害に遭いました。
私と母は避難所に避難していましたが、車などの移動手段がなく、気持ち的にも落ち着かず、避難所に行ってからは一度も家に戻ることができませんでした。

しばらくしてから、私の家も被害に遭ったこと聞きました。目の見えない私と高齢の母に代わり、地域の人がボランティアさんに片づけを依頼してくれました。
しかし、立ち合いができなかったため、家財道具は一つ残らず全部捨てられてしまったことを、地域の人づてに聞いて知りました。

災害が起きてから半年が経ち、地主から家の解体を求められました。
建物は持ち家でしたが、土地は借地だったためです。

でも、り災証明の判定は半壊で、国が解体費用を負担してくれる「公費解体制度」の利用条件に該当しませんでした。
母の年金を頼りとした暮らしでは、解体費用を準備できませんでした。

母は以前からデイサービスを利用していましたが、災害をきっかけに心身の体調も優れず、デイサービスからも遠ざかっていました。

私たちが避難生活を送っていた避難所が解消された後、住むところがありませんでした。なんとか小規模仮設住宅に入居でき、ケアマネジャーの方が訪ねてきて親切な言葉をかけていただきました。

災害から一度も帰っていない自分の家がどうなっているのか、心配と不安がありました。
仮設住宅に移ってからは誰に相談していいかわからず、不安をケアマネジャーの方に話したところ、支援団体さんを紹介してもらいました。

 

<半年以上経ってやっと見出せた自宅の今後>
支援団体の方と一緒に家を見に行きました。罹災判定は半壊と言われていましたが、もう到底住めるような状況ではなく、全壊ではないか、と感じられる被害の具合でした。

土砂が流入した家屋

※写真はイメージです

解体したほうが良いことは実感できましたが、半壊判定である以上、公費解体制度が使えない。解体費用も自分で用意できない。もうどうしたらいいかわからなくなりました。

そんな気持ちでいる中、支援団体の方が、罹災判定の再審査を請求することができると教えてくれました。でもやり方がわからないとこぼすと、一緒に市の相談窓口に付き添ってくれ、ゆっくり手続きを一つ一つ進めていくことができました。

市役所から、再調査には立ち合いが必要と言われました。でも車もなく、自力で自分の家に行くことがままならなかったのです。付き添ってくれていた団体の方は、車で連れていきますと言ってくれ、立ち合いも一緒にいてくれました。不安ばかりだったので、心強かったです。

結果、私の家の罹災判定は、半壊から全壊に変わりました。全壊になったおかげで、公費解体が申請できるようになりましたが、手続きがまたわからないと不安に思っていると、団体の方が一緒に手続きをしてくれました。

こうした手続きが初めてという人は、私だけではないと思います。若い人は、簡単に説明してもらえればすぐにわかるかもしれませんが、公的制度の手続きは難しく、窓口での説明だけでは十分にわからないことが多くあります。

 

<仮設退去のあとの不安>
次の困難は、仮設住宅を出たあとの生活のことでした。
2年間の供与期間ぎりぎりまで住みましたが、退去後に住む家がありませんでした。

災害公営住宅の案内がきましたが、保証人を頼める人がいませんでした。
支援団体の方に相談し、一緒に市役所に相談に行ってもらいました。
生活状況などを一緒に伝えてくれ、2人必要だった保証人を1人でよいとしてくれました。

車内から公営住宅を見る被災者

※写真はイメージです

災害公営住宅への入居要件は満たせたものの、今までなかった家賃支払いが生じることになり、引越し費用や家電の購入費を抑えたいと思っていました。

団体の方は、私と同じように買い物に行く足がない被災者の方々と一緒に買い物に連れて行ってくれ、家電や家具の購入を手伝ってくれました。また、費用を抑えたいと思っていた引越しも、準備からすべて団体さんが無償で手伝ってくれました。

引っ越しの手伝いをするボランティア

※写真はイメージです

私はすでに60代、母は90代になっていました。

 

<終わらない不安>
今は、災害公営住宅で暮らし、新しい環境にも少しずつ慣れて気持ちも落ち着いてきました。人からの助けなしに、私と母は自力でここまで至ることはできなかったと思います。

でも、まだ不安があります。これまでなかった家賃の支払いがあるため、家計の支出が年金収入を上回っています。今は生活再建支援金や義援金を取り崩してなんとか生活できていますが、あと半年~1年程度しか持たないと思います。

この後、どうしたらいいのか。生活保護の申し込みも視野に入れて考えていかなければと思っており、高齢の母を抱えて私一人では不安が募りますが、支援団体の方からサポートを受けながら乗り越えていきたいと思っています。

 

 

「過去の災害」への支援は集まらない

被災された方の困りごとは、発災直後だけではありません。
時間の経過とともに、直後には生じえない困難が形を変えて出てきます。

 

広域に浸水する風景や、倒壊が著しい家屋の景色で災害の緊急感が伝えられ、緊急支援や復旧作業ばかりが注目を集めがちです。

しかし、「復旧」と「生活再建」は異なります。

生活再建は、物理的な復元や回復ばかりではなく、被災する前にはなかった生活への不安も取り除かれ、健康で文化的な日々を過ごせるようになることです。

そのためには、人手ばかりではなく、被災者ご本人が取り戻したい生活の形に近づけるような選択肢の「提案」が必要不可欠になります。

公的制度の利用で解決できる困難もあれば、公的制度だけでは十分な解決策にならないケースもあります。公的制度で救済できない困難がある場合、行政や福祉機関だけで解決策を提示することは難しくなります。

だからこそ、緊急感の漂う発災直後ばかりではなく、中長期に渡って支援の手が必要になるのです。しかし、その頃には1年以上が経ち、世間では「過去の災害」と見なされるようになりがちです。

メディアで報じられなくなった“過去の災害”に「支援を!」「寄付を!」という人は滅多にいません。

発災直後には民間の支援団体にも多くの寄付が寄せられるものの、生活再建に関する課題が発生するころには支援が集まりません。

しかし、被災者の「生活再建」は終わっていないのです。
こうした方々に思いを寄せ、一緒に再建の道のりを支えてくれる力が必要です。

 

 

 

忘れていかないこと、取り残さないこと

毎年各地で災害が起き、心が痛みます。
同時に、新しい災害に多くの人の注目が集まり、“過去の災害”と見なされるペースが急速に早まっていると感じずにはいられません。世界中に衝撃を与えた3.11ですが風化が進んでいます。

“過去の災害”で痛みを抱えた被災者は、次々と起こる新しい災害にかき消され、忘れられていく存在と化していきます。

私たちYNFは、一度関わった方々が不安なく暮らしていた被災前と同じように、健康で文化的な暮らしを取り戻していけるまで、何年経っても支援を続けていきます。

 

 

YNFサポーター支援を通じて支援が届けられる方々は、先の見えない不安や困難を抱えながらも、様々な事情や状況により自ら声をあげることができない方々です。

皆さんがこの活動に共感を抱き、支援を通して一緒に支えてくださることこそが、被災者にとっては「忘れられていない」という励みになり、困難が多い中でも前進していく力になるのです。

 

サポーター支援を通して、
一緒に被災者の生活再建を支えてくれませんか。