スタッフコラム③【「公平」か「平等」か】
災害が各地で頻発する昨今、“どこまで支援するのか”という論上には、地域ごとの「公平性」の線引きが垣間見えます。
地域社会には、身長が小さな人もいれば、大きな人もいます。
支援に割かれるエネルギー量(労力量)の公平性を保とうとすると、小さな人にも大きな人にも同じ大きさの踏み台が支給されます。しかし、両者の目の高さが同じになることはありません。
被災者支援において「公平性」に立つ場合、住民の暮らしの再建レベルが最低限の水準に達するかどうかは関係ないことになってしまいます。これは「平等性」に欠けてしまう状態です。
実際にYNFの活動に従事する中で、「公平性」に立つが故に、ごく一部の被災者の再建難が結果的に切り捨てられる形に終わるケースを目にします。
YNFが一団体だけで、被災地域において切り捨てられうるすべての人々を救済できるとは思いません。とはいえ、困窮に陥ってしまう難が存在することに視点を合わせ続けることの大切さをYNFの活動を通して教えてもらってきました。
世間一般に見えづらい・理解しづらい被災者の生活再建難について、多くの人に伝えていく工夫も必要だと痛感します。被災者個人に密接に関わることから、あまり多くを対外的に発信できない難しさもありますが、こうした活動に関わることを通して、自分にできることや自分の役割を考える機会を頂いています。
(スタッフ諫山)
(写真)日ごろから厚く、そして熱く支援してくださる支援者の皆さんと
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