熊本・朝倉視察
【12月5日・6日】
日本災害復興学会より津久井進弁護士(兵庫)、宇都彰浩弁護士(仙台)のお二人が見えられるということで、朝倉市と熊本県の視察のコーディネートを行いました。
【朝倉市】
YNFでは主にこれまでに知り合った方々を対象に個人への生活再建支援を行ってきましたが、コミュニティ支援に関する活動はほとんど行ってきませんでした。
遠方から豊富な経験をお持ちのお二人が見えられるということで、せっかくの機会なので「松末復興かわら版」(https://tamarukai.web.fc2.com/)の制作ボランティアを行われている方にお願いし、松末地域コミュニティ協議会様にお邪魔してきました。
福岡県弁護士会の松尾朋弁護士も合流し、現在課題となっていることなどたくさんのお話を伺うことができました。
お聞きした課題の中には、YNFも報告書を作成し、行政に提出した「自力避難者」(昭和56年以前の建物はみなし仮設と認めず、実際に避難生活を送っているにも関わらず支援が受けられていない問題。)の課題もありました。
また、松末地区は長期に渡る土木工事が必要な個所があるが、見通しが立っていないため、住民の方の中にも諦めに近い感情が出てきているようでした。
こうした貴重なお話を伺う中で、YNFとしても朝倉市における活動を前に進めなければ、と感じる次第でした。
【熊本県】
(一社)よか隊ネット熊本とみんなのボランティアステーションが行っている朝飯活動に参加しました。
弁護士であるスーツ姿のお二人を見て住民さんたちからいろいろな質問がされたり、とにぎやかな印象でした。
YNFの朝倉での活動もお手伝いいただいている松岡さん(みんなのボランティアステーション・くまもと友救の会代表)も美味しそうに食事をされていました。
熊本県上益城地域振興局にお邪魔して、生活再建困難者への支援事業についてお伺いしました。
各地で設置されている「地域支え合いセンター」からのつなぎによる生活再建困難者へのサポートを行う事業ですが、お話の中で、これから先困難な方ほど残っているだろうというお話もでましたが、担当されている方も情熱をもって取り組まれていました。
また、午後からは宇都弁護士がアドバイザーとして参加される「地域支え合いセンター主任生活支援相談員連絡会議」にもオブザーバー参加させていただきました。
現場からあがっている困りごとを拝見すると、やはり厳しい状況に変わりはない、という印象でした。
熊本県の支え合いセンターの場合は、当初から「見守り」というキーワードが先行しており、「生活再建」というニュアンスが薄かったという傾向がありました。また、「みなし仮設」や「在宅」そして「広域避難者」という居住形態への支援も手探りの状態で始めた(東北ではあまり認知されないまま置き去りにされてしまいました)という経緯もありました。(広域避難者に関しては目立った事業は未だに聞かれません)
松末コミュニティ協議会の方のお話にも出たのですが、「生活再建に関する何の知識もなかったことが大変だった」という点が住民だけでなく、支援者サイドにも重くのしかかっていると感じます。